今回はBlenderでカーテンを作る方法を解説します。
この記事の執筆時に用いたBlenderのバージョンは3.5です。
カーテンの作り方
① 平面を追加
追加 → メッシュ → 平面
② 平面を縦にして、サイズを(縦2m、横1m)に変更
実際のカーテンの大きさに合わせて、サイズを変更しましょう。今回はロングカーテンを作る予定なので、1枚当たり、高さ2m、幅1mに調整しています。
ですので、まず回転のY軸を90°にして平面を縦にし、寸法のX軸を2m、Y軸を1mにします。
③ 「細分化」でポリゴン数を増やす
編集モードに切り替え、右クリックでメニューを開き、「細分化」を選択します。
今回は6つの山を作るので、まず細分化(分割数1)し、続いてもう1度、細分化(分割数5)します。
④ 折り目を作る
実際のカーテンのように折り目をつけていきましょう。
今回は6つの山を作るので、6つの山となる辺を選択し、X軸を0.1m移動。
⑤ 「細分化」でポリゴン数を増やす
再び右クリックでメニューを開き、「細分化」しましょう。今回は分割数の値を4、スムーズの値を1にしました。
ポリゴン数が多い方が物理演算を適用した時、リアルな挙動を実現できるので、パソコンに負荷がかかりすぎない範囲でポリゴン数を増やしましょう。
⑥ 両端の幅を短く微調整
実際のカーテンを見ると、両端の折り目から谷間かけた部分は少し短いので、2列分ほど短く削除しましょう。
⑦ 「Ctrl + H」で新規オブジェクトにフック
フックとは、メッシュの形状を変化させることができ、カーテンの開閉のアニメーションに用いる機能です。作成したフックを移動、回転、拡大縮小することで、接続された頂点やオブジェクトの形状を変化させます。
カーテンを吊るす6つの頂点を、1つずつ選択し、設定します。
編集モードで、フックを適用したい頂点を1つ選択します。「Ctrl + H」を押し、メニューから「新規オブジェクトにフック」を選択。これを残りの頂点にも同じように繰り返し設定していきましょう。
これにより、選択した頂点がフックされたエンプティが作成されます。
⑧ 頂点グループを追加し、6つの頂点を割り当て
現段階では、物理演算を適用すると、そのまま奈落に落下してしまうので、カーテンを固定する設定をしましょう。
カーテンを吊るす6つの頂点を選択 → オブジェクトデータプロパティ → 「+」で頂点グループを追加 → 割り当てをクリック
⑨ クロスシミュレーションを追加
モディファイアープロパティ → モディファイアーを追加 → クロスを選択
⑩ 先程設定した頂点グループをクロスシミュレーションの固定グループに登録
物理演算プロパティ → シェイプ → 固定グループ → 先程設定した頂点グループを選択
これで吊るしの部分が固定ができ、アニメーションを開始するとぶらんと垂れ下がります。
⑪ エンプティをすべて選択し、キーフレームを挿入
ここからは、カーテンを開くアニメーションを設定していきましょう。
まずアニメーションのタブを開き、オブジェクトモードにしておきます。現在のフレームは1にしておいてください。
そして、エンプティをすべて選択 → 右クリックで開いたメニューから「キーフレームを挿入」を選択 → 「位置」を選択
そうすることで、シートにカーテンが閉じた状態のキーフレームが挿入されました。
⑫ エンプティを片方に移動し、キーフレームを挿入
次は、カーテンが開いた状態のアニメーションを設定していきましょう。今回は、左から右にカーテンを開くアニメーションを作ります。
まず、現在のキーフレームを100に設定してください(この数値はお好みで構いません)。
次に、右側にエンプティをそれぞれ移動させ、先ほどと同様に、右クリックで開くメニューから「キーフレームを挿入」を選択 → 「位置」を選択。
これでキーフレームの設定は完了です。
⑬ クロスシミュレーションの値を調整
物理演算プロパティからクロスシミュレーションの値を調整していきましょう。
デフォルトの数値では、質感が柔らかすぎて、形状が保てないので、より硬くしましょう。
今回は、「剛性」の引張、圧縮、せん断の値を40、曲げの値を3、「減衰」の引張、圧縮、せん断の値を20、曲げの値を0.5にしています。お好みに合わせて調整してください。
またセルフコリジョンを有効にすると、布同士が貫通することを防げます。今回は、距離を0.001mに設定しています。
⑭ アニメーションを開始
以上の設定を完了したうえで、アニメーションを開始すると、カーテンが開くアニメーションが完成しました。
⑮ テクスチャを設定
布のテクスチャを設定しましょう。今回は、フリー素材サイトからダウンロードしたテクスチャを使用します。
マテリアルプロパティからテクスチャを設定しましょう。
以上でカーテンの3Dモデルの作成は完了です。
完了
今回は、カーテンの作り方を紹介しました。ただ、カーテンフックなどの細部の作成は省略しているので、より詳細に作成したい場合は自分で調節してみてください。
満足のいく結果が得られなかった場合はクロスシミュレーションの値を再調整したり、キーフレームを再設定してみましょう。